小林賢二の庭百景

マホニアコンヒューサ

庭造り 植物

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細葉のヒイラギナンテン。ヒイラギナンテンのような葉のトゲはなく、かたくなく、触れても柔らかいのがいいところ。
病虫害は少なく、日向でも日陰でも育ち、あまり大きくはならず、どこで切っても新しい芽を出し、秋の黄花も可愛く、と、一般的ないいところ多々あり。
流行は10数年ぐらい前からでしょうか、当時は比較的新鮮な素材でしたが、扱いやすさと丈夫さからか需要は高まり、最近は、街で見かける公共空間の植込みやマンションの植込みや、そもそもツツジ類の多い低木の寄植えの15%ぐらいはマホニアコンヒューサが占めているような気がします(たしかな情報ではありません、今日これを書きながら思う私感です)。おかげで、新鮮さはすっかり無くなりました。
とはいえ、扱いやすい低木であることは変わりません。

刈込みに強いので、植込みの寄植えに使うのもいいのですが、一株をのびのびと育てた方が味わいはあります。
「つむじ」では、然程広くない木造ドミノの中庭に奥行きを出す目的と、柱の存在を緩和する役割を担ってもらって、これを手前に植えています。日陰のスペースで悠々と育ってきました。日向の乾燥にはすこし弱いようで、日陰のほうが似合う木かもしれません。
もうひとまわり大きくなったら整枝します。 

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こちらは、昨年秋竣工した伊礼智さん設計・相羽建設さん施工の「花小金井の家」
玄関ポーチと小さなテラスをゆるやかに仕切るように、当初からボリュームのあるマホニアコンヒューサを入れました。
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