「シャガ」
植物の名前を覚える。そんな作業をしたこともなかった私に、その楽しさを教えてくれたのがシャガだった。
植物の名前など何も知らないような実態でランドスケープの設計事務所に通いだした20 代の頃、週末に訪ねていた信州のお宅の日陰の路地に、凛とした白さを輝かせて咲いていた。
もらってきたシャガの兄弟たちがこの庭にも咲いている。
シャガという名前を知ることによって、その花に気付く。
近くの丘陵にある動物園の園内に咲くやつらに会って「シャガだ」
近くの山の渓流沿いに咲くやつらに会って「あっシャガだ」
見返りの塔のある寺の斜面に咲くやつらに会って「おっシャガじゃん」
「キレイな花ですねぇ」「シャガです」
シャガを覚えて以降、見知った連中は数えきれない。
▲2008.04.16 記 「好日の庭」にて
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昔のアトリエの庭の出来事を綴っていた頃に書いた一文。
実は「つむじ」に植えたのも、信州の庭から国立の自宅に移して、アトリエの庭で更に増えたシャガたちの株分け。
花の無い季節も常緑の照葉で、日陰の庭のグランドカバーとして役に立ちます。
こちらは、最近訪ねた北鎌倉の古寺の斜面を覆うシャガ
そしてこちらは、そんなシャガの記憶を甦らせながら造園した、
川越の上尾街道沿いに3月に植栽したシャガ
増えますように。