昨日までの高松出張の折、
朝の余時間に10年ぶりに人気のない高松城（玉藻公園）を歩きました。瀬戸内海に面した水城（海城）。
歴史的なウンチクはさておいて、空き時間の短い道程の期待はいつも、面白い景色に出会えるかどうか。

老松の多い庭園。近くの屋島や自然の林はムシの被害で松が減っているようでしたが、やはり良く管理されているのでしょうか。
堅牢な石積みと常盤木の松、石積みが描く水平線と松が描く曲線、と書けばシンプルな構成組合せですが、一つ一つ違う自然石の色と形と職人の個性と松の個性と、見ていて飽きない光景があちこちに。

天守台石垣は近年に解体しての復元が行われたそう。
石の角や面を叩いてなるべく平らにして積んで隙間に小石を詰める「打込接ぎ」という技法。もっと加工して隙間なく積む「切込接ぎ」に比べると遊び心が感じられて朗らかな表情です。戦の頃は、そんな印象じゃ見ないでしょうけど。

披雲閣という御殿はとにかく庭の石がでかい。
高さ2mで重さ11トンの銀閣寺型手水鉢に、大人４人が並んで寝れそうな踏分け石？？
　　　
平均して1mφを超えてる大振りの似たような飛石が何百石と園内に。
美は感じませんが威厳は強く感じます。権威と考えずに歩けば、ふだん作っている庭とは違う高揚感はありました。
チリも高く、歩きづらいと思うのですけど、私が好む小さい石を混ぜた飛石も歩きづらいので、どちらも景色を重んじる点では同じかも。。

そんな城址を歩いて、こんな些細な石に目をやるのも何ですが、
↓こちらの方に美は感じてしまいます。

日常とは違う庭空間体験。
有意義なひと時でした。

☆☆☆

KOBAYASHI KENJI ATELIER
Website：https://kobayashi-atelier.com/
Instagram：https://www.instagram.com/kobayashi_atelier/