三十年近く前に借りていた平屋の二件長屋の庭先に咲いていたミヤコワスレ。
植物の名前でも覚えようかと、重い腰をあげた春でした。
はじめて買った園芸雑誌で茶花の特集をしていて、そこに載っていたのが、ミヤコワスレとシャガとテッセンと記憶していたのは誤りで、シャガではなくイチハツでしたが、なぜかこの三点セットにはノスタルジアに似通った感覚がつきまといます。

株を分けて増やすということを覚えたのもミヤコワスレでした。おかげで当時の我が家はミヤコワスレだらけで、ほとんどはその庭に残してきましたが、持ち去った数株がまた増えて、新しい庭でも静かに咲いています。
ミヤコワスレがミヤマヨナメの園芸種だと知り、園芸品種への偏見もいくらか解けていきました。
日向でも日陰でも元気に咲いてくれて、病虫害のほとんどない、極めて優良な春の宿根草です。