小林賢二の庭百景

ツルニチニチソウ

庭造り 植物

major
ビンカマジョール(Vinca major)、別名ツルニチニチソウ。マジョール(major)は大きいという意味で、小さいのはミノール(minor)。つむじにあるのは斑入りのビンカマジョールと緑葉のビンカミノール。
地被植物とかグランドカバーという呼び方で扱われる植物があります。あまり背が高くならず地面を覆って、雑草を抑えつつ横に広がり、効率よく広い面積を修景してくれる植物。芝生もそう。グランドカバーという言葉が一般的になったのは20〜30年ぐらい前、という記憶がありますが、グランドカバーという言葉と同時に一般的に流通しはじめたのが、これ。という記憶もあります。
20〜30年前は、私が庭と植物の道に足を踏み入れた頃。性質を覚えて、ビンカミノールとすらすらと言えるようになった頃が懐かしい…ちょっと郷愁にひたれる植物なんです。
以下は10年前の私のブログから。

●ビンカミノール

ヤマブキ、ユキノシタとともに好日の庭の第一期生。自宅から移植した二つかみほどの株がそこら中に広がりメインのグランドカバーになっている。ビンカミノールの丈夫で手間いらずな性質を書き始めると、宮沢賢治氏の「雨ニモ負ケズ」が思い浮かんできた。

雨にも負けず、風にも負けず、雪にも夏の暑さにも負けぬ丈夫な体をもち、欲はなく、決して怒らず、いつも静かに笑っている。
すこしの土とすこしの水で育ち、あらゆる雑草を入れずによく茂って常緑で、そして大きくはなりすぎず、建物の陰の一番の日陰の砕石の大地に居て、東に玄関前の隙間があれば行って可愛く花を咲かせ、西に植木鉢の隙間があれば行って根を下ろし、南に日溜まりの大地があれば行って一足先に花を咲かせ、北に野草が顔を出す大地があれば、俺たちは似合わないからやめろと言い、、、

そういうグランドカバー。

2007.04.11記 「元祖・好日の庭」にて

vinca

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