小林賢二の庭百景

一の石(ハジメノイシ)

庭造り

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私のアトリエの庭の話です。
この夏に国立市内で3度目の移転をしたのですが、その度いくつかの庭の材料も一緒に引越しています。

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↑これはアトリエではなく、新宿の京王プラザホテルの2階にあります「懐石蒼樹庵」という料理店。15年前に造園させて頂いた仕事で、店の前庭の写真です。お店に入るとインテリア空間ですが、いくつかの小さな庭が客席をつなぐ景色を作っています。

この前庭に据えた2本の御影石。

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↑これが制作中の写真ですが、大きな石から割って作っています。
この2つの石の間に残った細い石があって、なかなか捨て難い表情をしていたので譲ってもらったのが、本題の石。というどうでもいい出世のヒミツと、ホテルの料理店の庭も作ります。という話ですが、、
この石を庭に持ってきたはいいものの、1つの石って案外使い方が難しいんですね。2とか3だとその組合せでデザインしやすいんですが。

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どこに置こうかと考えながら、改めて庭づくりを始めるキッカケとなった一(ハジメ)の石、やがて石に吹きだまった野草の種が芽生えたり、この石を中心にした庭づくりが数年続くのですが、引っ越すことになってしまって、庭も植物も一緒の最初の引越し。

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↑引越し先は似たような木造アパート。変わったのは、管理できる庭の範囲が広くなったこと。
ここでも庭を考える上での中心はこの石でした。
春は石のまわりから球根の花が現れて、秋は石のまわりで紅葉が輝いて、庭づくりの意識も、庭を見る視点も、いつもこの石を中心にしてあります。シンボルツリーとは違う、庭の焦点、小さい要素ですけど、こんな庭のあり方もあるのかなと思います。

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そんな庭も、だんだん造園家が作った庭っぽくなってきて、映画のロケに使って頂いたことが2回ありました。

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↑国立在住の福間健二氏監督の「わたしたちの夏」という映画のスチール写真。
ミュージシャンの鈴木常吉さん出演の作品ですが、この写真も私はついついハジメの石に目がいってしまう。これが映ってて嬉しい。カメラマンがこれを入れようとしていることが嬉しい。という感じ。

長くなりました。。
自由な庭づくりの一例です。

そして、今夏の引越し先のハジメの石。

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似て非なり。
一味違う庭づくりを目論んでいます。

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KOBAYASHI KENJI ATELIER
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